羽田空港国際線発着枠配分に関する私的考察への補足-羽田国内線発着枠についての補足-

投稿者: | 2013年10月15日

10月9日(2013)に、羽田空港国際線発着枠配分に関する私的考察を書きました。
その中で2012年11月に決まった羽田国内線発着枠配分について言及しましたが、かなり簡略化して書いたため、少し紛らわしい部分があったかと思います。
羽田国内線発着枠について、少し補足いたします。
羽田国内線の発着枠配分は、2012年11月30日に国交省から発表されました。
新規発着枠25便の内訳は次の通りです。
JAL 3, ANA 8 
スカイマーク 4, エアドゥ 2, スカイネットアジア 3, スターフライヤー 5
(出典:https://www.mlit.go.jp/report/press/kouku04_hh_000073.html)
JALとANAでは、ここでも5枠の差が出たわけです。
JAL、ANA以外にも、もちろんは発着枠は配分されています。
国内線発着枠配分に関する検討は、「羽田発着枠配分基準検討小委員会」で行われ、審議会は5回開催されています。
この小委員会は、2012年6月28日に交通政策審議会航空分科会の決定により設置され、委員は10名で、担当部署は航空局航空ネットワーク部航空事業課です。
発着枠は、評価する項目を立てて、それらを点数化して決めています。
例えば,ANAの評価合計点数は15.4点です。
そして、その数字を新発着枠の25枠で案分(比例して分ける)します。
25枠を合計点数15.4点で案分すると、7.7になります。
その数字を小数点第一位で四捨五入すると、8になり、その数が配分枠数になるというわけです。
JALの評価合計点数は、11.4点でしたが,企業再生期間の802日(2010/1/19~2012/3/31)は破綻の影響があったと見なされ、ペナルティとなります。
ペナルティとして、“破綻の影響を控除する係数”0.56が合計点数(一部の項目除く)にかけられます。
そうすると、JALの持ち点は6.9点にまで下がってしまいます。
そしてこの6.9点を、新発着枠の25枠で案分すると、3.4になります。
小数点第一位で四捨五入をすると、3になり、配分枠数は3と決まったわけです。
ペナルティとしての“破綻の影響を控除する係数”0.56が、羽田国内線発着枠配分に大きく影響したことがこれでわかります。
評価項目は次の通りです。
1.利用者利便の向上の観点からの評価項目
(1)運賃水準の低廃化の努力
(2)安全の確保
(3)全国的な航空ネットワークの形成・充実
 ①全国規模での航空ネットワーク形成・充実への貢献
 ②羽田航空と地方の空港との間の路線の形成・充実への貢献
(4)新規航空会社の競争環境整備による競争促進
2.航空会社の効率的な経営環境整備による競争促進
3.発着枠の効果的な使用の観点からの評価項目
4.行政処分を過去5年間受けていないこと
ちなみに、新発着枠配分後は、JAL183.5枠、ANA171.5枠、スカイマーク36枠、エアドゥ23枠、スカイネットアジア25枠、スターフライヤー19枠となっています。
まだ、JALとANAの間には、12枠の差があるのですね。
詳細は、国交省のHPにありますので興味のある方はそちらをご覧ください。
今回、引用したデータの出典も同じです。
国交省HP「羽田発着枠配分基準検討小委員会」:
http://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/S304_haneda01.html

羽田空港国際線発着枠配分に関する私的考察への補足-羽田国内線発着枠についての補足-」への2件のフィードバック

  1. ケチ子にゃん

    なるほどそうだったのですね~適当に割り振ったのではなくて、キチンと点数化して出された結果だったとは…
    先日の国際線発着枠もますます気になりますね~
    ピーチャさんの説明がとても解り易かったのでとても参考になりました(^-^)/

  2. ぴーちゃ

    ケチ子にゃんさん
    こちらにいらしてくださって、ありがとうございます!
    なんだか調べていったら止まらなくなり、国内線発着枠のことまで調べてしまいました。
    そのせいで、仕事が終わらず徹夜をする羽目に・・・
    ですので、読んでくださってとっても嬉しいです♪

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