航空燃料市場価格(ケロシン価格)からANAの燃油サーチャージを予測する

投稿者: | 2013年10月25日

(2014年4月8日追記)
2013年12月1日から2014年1月31日発券分のANA国際線燃油サーチャージの値上がりが決まりました。
ANAグループでは、燃油特別付加運賃を2ヶ月ごとに見直しています。
申請時点における直近2カ月の航空燃油市場価格の平均に基づいて見直されます。
今回、2013年8月から9月のジェット燃料の2カ月平均が1バレルあたり124.34米ドルとなったため、改定が決まったようです。
           改定運輸サーチャージ(路線:改定後/現行)

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            http://www.ana.co.jp/pr/13_1012/13-112.html
航空燃油市場価格というのは、シンガポール取引所でのケロシンというジェット燃の原料価格のことです。
ケロシンを主成分として、ジェット燃料やロケット燃料も作られるし、灯油も作られるそうですよ(Wiki情報です)。
ケロシン価格の直近の2ヶ月平均に基づいて、燃料サーチャージの価格は変動します。
平均が120ドル~130ドルの間だったので、12、1月の価格が一段階上がることになりました。
日本からハワイだと、13500円から15000円と1500円の値上げになります。
2013年11月末までの燃料サーチャージ決定時の価格は、119ドルと、かろうじて110~120ドルの間でした。
ですので13500円だったのですね。
      
               ケロシン価格の推移表

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               http://www.platts.com/JetFuel
     
ケロシンは、2013/10/21でも124ドルを超えています。
  
            燃料サーチャージ改定基準表

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            http://www.ana.co.jp/pr/13_1012/13-112.html
ジェット燃料の価格は、エネルギー情報配給会社であるプラッツ社(PLATTS)のデータで見ることができます。
詳細は、有料会員にならないと見ることができないようです。
PLATTS Jet Fuel Price:http://www.platts.com/JetFuel
プラッツ社のデータを使っていますが、国際航空運送協会(IATA)のHPからもジェット燃料の価格を見ることができます。
IATAジェット燃料: 
http://www.iata.org/publications/economics/fuel-monitor/Pages/index.aspx
以前は、アメリカのエネルギー省のHPやブルームバーグのHPからもジェット燃料の情報を得ることができたみたいですが、どうやらもう公開していないようです。
では、2014年2月以降の燃料サーチャージはどうなるでしょう?
ケロシン価格を見て行けば、予測できますね。
ANAの燃料サーチャージの決め方ですが、為替による差益や差損は勘案されていないようです。
(↑為替による損益などは、燃油サーチャージの基準自体を変えるという方向で調整しています。
これについての記事はこちらです
→ JAL、燃油サーチャージの基準自体を変えちゃった!
→ やっぱり!ANAも燃油サーチャージの基準を変えちゃいました… (2014/04/08追記))
ですので、ケロシン価格のみ見ていれば、次回燃料サーチャージがいくらに設定されるかがわかるわけです。
2014年2月1日~2014年3月31日までの燃料サーチャージは、2013年10、11月の平均ケロシン価格によって決まります。
今のところ(2013年10月)、120ドル以上を推移しているので、次回も変わらなそうですね。
    
でも、シリア情勢も今のところ変化が見られないので、もしかするとケロシン価格が下がるかも知れません。(専門家でないので、あくまでも根拠に乏しい推測ですが。)
11月の燃料価格次第といったところでしょうか。
これ以上、上がる可能性は今のところ少ないと思います。
(中東の情勢次第だと思いますが、これも根拠に乏しい推測です)
今年12月1日の発券からの値上がりなので、やはり2013年11月中に発券を済ましておいたほうがよいのではないでしょうか。
もし、少しでも発券を遅らせたいのであれば、11月半ばぐらいまで待ってみたほうがよいと思います。
10月~11月半ばまでのケロシン平均価格を計算して、120ドルを超えれば、11月中に発券してしまう、120ドル以下であれば、来年2月移行に発券すればよいですよね。
燃料サーチャージって、ジェット燃料の価格が60ドル以下になったらなくなるんですよね。
下のデータは、ジェット燃料の長期の価格推移ですが、2009年3月あたりははジェット燃料価格が60ドル以下です。
そんな時代もあったのですね。
サーチャージ0ですよ!
2009年の夏は、事実サーチャージはかかりませんでした。
       ジェット燃料およびクルードオイルの価格推移

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     http://www.iata.org/publications/economics/fuel-monitor/Pages/price-development.aspx
でも今は120ドル以上の価格、半分になるなんてことは、当分なさそうですよね。
燃料サーチャージはしばらく続きそうです。

航空燃料市場価格(ケロシン価格)からANAの燃油サーチャージを予測する」への2件のフィードバック

  1. デスモ

    燃油サーチャージは米ドルでのジェット燃料の価格ということですね。
    直近で言えばシリアとエジプト情勢の不安定化で、原油価格が上がり、ガソリンも上がりました。そういうことでしょうか。ガソリンの給油は円安も関係しますが。
    資源の価格は石油以外でも、戦争やシェール革命などで変動があるものだとは思っています。

  2. ぴーちゃ

    デスモさん、コメントありがとうございます。
    航空会社で、燃料サーチャージの価格の決め方は異なるのですが、ANAではジェット燃料価格のみでサーチャージを決めています。原油などのオイルは通常の市場では、米ドルで取引がされるので、ジェット燃料価格がサーチャージと直結しているといえます。 原油価格の変動への一番の直接的要因は、やはり中東情勢が大きいですよね。シリア、エジプトは若干落ち着いている状態で、イランが新大統領の方針でちょっとアメリカより政策を行っているなどから、ジェット燃料価格もそれほど変化がない→少し安くなるの方向ではないかと推測しました。もちろん、要因はたくさんありますし、市場も現物市場、OTC 市場(先渡市場・スワップ市場)、先物市場があり、買い手もリスクヘッジをしているし、といったことで理論に基づく価格予測も当てにならないことが多いそうです。(専門家ではないので本当に主観ですみません)

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