国交省は、2013年10月2日、2014年春から新運航される羽田空港の発着枠の配分を発表しました。
なんと!ANAが11枠、JALが5枠と圧倒的にANAが有利な割り当てでした!!
このニュースについては、SFC修行僧、尼の方はすでにご存じのことでしょう。
現在、SFC修行中の私としては、もちろん「やった~」という気分なのですが、「国交省の裁量で配分が決まった」という部分がちょっと気になるので、決定の経緯をちょっと調べてみました。
大抵の場合、このような重要な事案を決めるには、それなりの資料が残されているので、それを調べていけばわかるはずです。
でも、資料がほとんど見つかりませんでした!(私の力不足かも・・・)
このような事案を決めるときには、それぞれ担当の省庁がその役割を担いますよね。今回は、「航空」に関することなので、国土交通省の管轄となります。
通常、何か大切な事案を決めるときには、その分野の専門家や有識者が招集され、専門家/有識者による委員会が作られるのが一般的だと思います。
そこで色々と検討されて、委員会による決定が出されます。
それを考慮して、国交省が最終判断をするという流れが普通だと思います。
例えば、常用漢字表が平成22年に改訂されましたが、その時は、文化庁に漢字小委員会という専門家/有識者による委員会を発足しました。
委員会で色々と検討を重ね、市民に対するアンケート調査なども行い、新常用漢字案となりました。
議事録も残されていて、誰がどのような発言をしたのかはっきりわかります。
ですので、省庁の意向も、作成の経緯なども知ることができます。
(最終的に、内閣告示により定められます。(「常用漢字表」(平成22年内閣告示第2号)http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/kokujikunrei_h221130.html))
羽田の2013年春からの国内線の新規発着枠が2012年11月に発表されましたが、この時も、もちろん専門家による委員会によって検討されています。
「羽田発着枠配分基準検討小委員会」という委員会で、5回開催されています。
この委員会では、「○枠はどこの航空会社へ」など具体的なことは決めていませんが、配分の枠組みを決めています。
JALについては、「破綻事業者の取扱いに関する考え方及び評価の方向」という章で、JALをどう扱うべきだと考えているのかを明らかにしています。
この枠組みのルールに則って、国交省が「JAL3枠、ANA8枠」という最終判断をしたというわけです。
(国土交通省HP「羽田発着枠配分基準検討小委員会」
http://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/S304_haneda01.html)
しかし、羽田国際線発着枠の配分に関しては、専門家/有識者による委員会はつくられていないようです。
国交省のHPを見ればすぐに調べられます。
国際線発着枠についての報告書も無いようです。
検討がどう進んでいったのか、結局わかりませんでした。
国際線枠配分の偏りの理由に関する資料は、プレスリリース時に配られたたった2ページの発表資料のみです。
羽田発着枠配分基準検討小委員会が決定した「破綻事業者の取扱いに関する考え方及び評価の方向」を国際線配分でも適用すると、今回の決定は???となるし。
やっぱり政治的介入があったのでは?といわれても仕方がないのでしょうね。
*プレスリリース時の国交省側の発言、質疑応答については、travel visionに詳細な記事があります。
羽田発着枠、記者レク詳報【1】→http://www.travelvision.jp/news/detail.php?id=59082)
「羽田空港国際線発着枠配分に関する私的考察 -ANA11枠、JAL5枠はどう決まったのか-」への2件のフィードバック
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2年前の羽田空港国内線の増便便枠は大手以外10便、大手10便はANA
7便JAL3便と同じになったように思います。先生方の夏休みの外遊うのニュースを見ている限り全員ANAを利用していていたように思います。ず増便枠が丸見えですね。
信州田舎者さん
コメントどうもありがとうございます。
羽田国内線発着枠の時には、枠決定の評価表もプレスリリースしています。
国交省HP:https://www.mlit.go.jp/report/press/kouku04_hh_000073.html
時期的にもJALはそれではしょうがないとなったのでしょうね。
ana派の私ですが、今回JALが物申す気持ちはよくわかるような気がします。